ギャンブル依存症の急増:オンライン時代における若者の危機!
近年、オンラインギャンブルの普及と新型コロナウイルスによる巣ごもり需要が重なり、ギャンブル依存症が急増しています。
特に、大学生を含む若い男性がスマートフォン一台で手軽にギャンブルに手を出し、依存症に陥るケースが増えています。
米大リーグ、大谷翔平選手の元通訳である水原一平被告の事件は、この問題に一層の注目を集めました。
本記事では、ギャンブル依存症の現状、その原因と症状、そして回復への道筋について詳しく解説します。
はじめに
米大リーグ、大谷翔平選手の元通訳、水原一平被告の事件で注目を集めたギャンブル依存症。
酒やたばこなどと並んで以前からある依存症ですが、スマートフォンで賭けられるオンラインギャンブルの広がりや新型コロナウイルスによる巣ごもり需要で近年、大学生も含めた若い男性の依存者が増え、関係者は警戒感を強めています。
回復には自助グループにつながるのが最善の道とされています。
ドーパミンとギャンブル依存症
依存症に詳しい久里浜医療センター(神奈川県横須賀市)の松崎尊信医師は、「アルコールや薬物と同じように脳に快感をもたらす神経伝達物質ドーパミンの働きで行動がコントロールできなくなる。意思の弱さや道徳観の欠如の問題ではなく、国際的に病気と認められている」と説明しています。
症状の特徴
ギャンブル依存症の症状の特徴は以下の通りです。
- 興奮を得たいために、賭け金を増やす
- ギャンブルを減らしたり中止したりするといらいらする
- のめり込みを隠すためにうそをつく
これらの症状は、米国精神医学会の基準に基づいて診断されます。
診療実績
久里浜医療センターの診療実績によると、コロナ禍前の2019年の患者数は796人でしたが、2021年は954人、2022年は1083人、2023年は1173人と増加傾向にあります。
助言と希望
具体的なエピソード
社宅に残された通帳には毎日のように数千円の引き落としがあり、残金は136円でした。後に連絡がついた息子は当初、借金は50万円と言っていましたが、本当は390万円でした。クレジットカード会社6社から借金をしていました。
息子と2人で地域の精神保健福祉センターで面談を受け、家族会と自助グループを紹介されました。その後、依存症専門病院に10カ月入院しました。
自助グループの効果
自助グループでは、ギャンブル依存症の経験者から直接、借金の解決や仕事・家族との向き合い方などあらゆる問題の具体的な助言を受けられました。
立ち直りつつある当事者の姿を目の当たりにし、回復への希望を持てたようです。
この女性によると、息子は「コロナ禍で人と会えなくなったことが大きい。することがなくなり、スマホで気楽にできるギャンブルにはまった」と振り返っていました。
共依存と回復への道
「ギャンブル依存症問題を考える会」の田中紀子代表は、回復に向かうために家族が守るべき前提として、以下の3点を挙げています。
- 借金の尻拭いをしない
- 金銭管理をしない
- 干渉・監視しない
共依存の問題
ギャンブルにはまる子どもらを心配する家族は逆のことをしがちですが、患者本人が問題に直面し、解決に踏み出すのに必要です。
また、家族も振り回される「共依存」という状態に陥るのを避けることにもつながります。
自助グループの重要性
田中さんによると、回復への最善の一歩は自助グループにつながることです。
医療機関は、依存症に伴う抑うつや不眠、自殺願望などがある場合に有用ですが、ギャンブル依存症に対応できる医療機関は多くありません。
自助グループには、ギャンブル依存症者が匿名で集会に参加できる「ギャンブラーズ・アノニマス(GA)」や家族・友人向けの「ギャマノン」、滞在型の回復施設が含まれます。
これらの団体と連携する「全国ギャンブル依存症家族の会」や「考える会」が相談会の開催や情報提供をしています。
田中さんは、「今やスマホ1台でできるオンラインギャンブルであっという間に依存症になってしまう」と深刻さを訴えています。
まとめ
ギャンブル依存症は、スマホ1台で手軽にできるオンラインギャンブルの普及やコロナ禍の影響で急増しています。
回復への最善の道は、自助グループに参加し、専門家や経験者からの助言を受けることです。
家族も共依存を避けるための適切な対応が求められます。社会全体でこの問題に取り組むことが重要です。
おわりに
いかがでしたでしょうか?
本記事では、ギャンブル依存症の現状とその危険性について詳しく解説しました。
オンラインギャンブルの普及とコロナ禍の影響で、特に若い男性を中心に依存症が急増しています。
しかし、ギャンブル依存症は意思の弱さや道徳観の欠如ではなく、治療が必要な病気です。
家族や友人のサポート、自助グループへの参加が回復への大切な一歩となります。
ギャンブル依存症は早期の発見と適切な支援が重要です。
この記事が少しでも問題の理解と解決の一助になれば幸いです。
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