ウズベキスタンが「スタートアップ国家」へ動き出した

SHINTARO KATAOKA中央アジアに位置する ウズベキスタン が、いま大きな転換点を迎えています。
これまで資源・製造業のイメージが強かった同国ですが、近年はデジタル技術とスタートアップ育成を国家成長の柱に据え、急速に改革を進めています。
その中心にいるのが、シャフカト・ミルジヨエフ大統領です。
政府主導でスタートアップ支援策や法制度改革が進められ、国内起業家だけでなく、海外投資家やグローバル企業からも注目を集める存在になりつつあります。
本記事では、ウズベキスタンがなぜ今スタートアップ育成に力を入れているのか、そしてこの国が将来どのようなビジネスチャンスを秘めているのかを、分かりやすく解説していきます。
大統領主導で進む「デジタル×スタートアップ」政策

2025年1月20日、シャフカト・ミルジヨエフ大統領は、デジタル技術分野の発展をテーマとした政府会議に出席しました。
この場で焦点となったのが、スタートアップの育成と海外市場への展開支援です。
政府は2030年までに、
- 国内スタートアップ数を 約750社 → 5,000社
- 海外進出スタートアップを 60社 → 200社
まで拡大させる目標を掲げています。
さらに、ベンチャーキャピタルからの投資額についても、現在の約1億8,000万ドル規模から20億ドル規模へ成長する見通しが示されました。
国際水準を意識した「Enterprise Uzbekistan」の設立

ウズベキスタンが特に力を入れているのが、法制度面の国際標準化です。
2025年11月26日には、大統領令により国際デジタル技術センター
「Enterprise Uzbekistan(エンタープライズ・ウズベキスタン)」 の設立が正式に決定されました。
このセンターの大きな特徴は以下の点です。
- ITパーク内に設置された特別経済・法制度区域
- イングランドおよびウェールズのコモンローを基礎とした運営
- 入居企業が関与する紛争を、国内司法とは独立した裁判所で解決可能
この仕組みは、アスタナ国際金融センター(カザフスタン)と同様のモデルで、国際投資家にとって「法的リスクが見えやすい」環境を整える狙いがあります。
現地のベンチャー投資家からも「海外ファンドの信頼獲得につながり、クロスボーダー取引が加速する」との評価が出ています。
世界のスタートアップ支援企業も続々参入

ウズベキスタンのスタートアップ市場には、すでに国際的なプレイヤーも入り始めています。
2022年以降、
- Plug and Play(アメリカ)
- ドミノ・ベンチャーズ(オランダ)
- スタージョン・キャピタル(イギリス)
といった海外のスタートアップ支援企業が進出し、現地エコシステムの形成を後押ししています。
世界ランキングでも評価が上昇中

調査機関 StartupBlinkが2025年5月に発表した「グローバル・スタートアップ・エコシステム指数2025」では、ウズベキスタンは 世界98位 にランクインしました。
これは前年から 12ランク上昇しており、着実な改善が見られます。
同レポートでは、
- 規制改革の継続
- 資金調達環境の拡大
- 国際的パートナーシップの強化
といった点が高く評価される一方、
- 外部資金へのアクセス制限
- IT人材の不足
といった課題も指摘されています。
よくある質問(FAQ)
-1024x585.webp)
- なぜウズベキスタンは今、スタートアップ育成に力を入れているのですか?
-
ウズベキスタンは、資源や労働力に依存した経済から、デジタル技術を活用した成長型経済へ移行しようとしています。スタートアップは新しい雇用や産業を生み出す存在であり、国の将来を支える重要な柱として位置づけられています。
- ウズベキスタンでスタートアップを始めるメリットは何ですか?
-
政府による支援制度が充実していることに加え、人件費やオフィスコストが比較的低い点が大きなメリットです。また、中央アジア市場のハブとして、周辺国への展開もしやすい環境が整いつつあります。
- 外国人や海外企業でもウズベキスタンで起業できますか?
-
はい、可能です。ウズベキスタンでは外国企業の参入を歓迎する政策が進められており、IT分野を中心に海外企業向けの特別な制度や区域も整備されています。法制度の国際化も進んでいるため、海外企業にとって参入しやすい環境が作られています。
- ウズベキスタンのスタートアップ環境にはどんな課題がありますか?
-
課題としては、資金調達の選択肢がまだ少ないことや、高度なIT人材の不足が挙げられます。ただし、これらの点についても政府や民間による改善策が進められており、環境は年々良くなっています。
- ウズベキスタンのスタートアップ市場は今後成長しますか?
-
多くの専門家は、今後も成長が続く可能性が高いと見ています。政府の強力な後押しに加え、海外投資家やスタートアップ支援企業の参入が進んでおり、数年後には中央アジア有数のスタートアップ拠点になると期待されています。
まとめ|「次の成長市場」としてのウズベキスタン

ウズベキスタンは、制度・投資・国際連携の3点を軸に、スタートアップ国家への転換を進めています。
まだ課題は残るものの、「国が本気でスタートアップを育てようとしている」という点は、周辺国と比べても明確です。
今後数年で、中央アジアにおける新たな起業・投資拠点として、ウズベキスタンの存在感はさらに高まっていくでしょう。
おわりに|スタートアップ育成で存在感を高めるウズベキスタンの今後

SHINTARO KATAOKAいかがでしたでしょうか?
ウズベキスタンは、国家主導でスタートアップ育成とデジタル分野の強化を進め、中央アジアの中でも存在感を急速に高めています。
法制度の国際化や投資環境の整備、海外企業との連携など、その取り組みは長期的な成長を見据えた戦略と言えるでしょう。
課題として、資金調達の選択肢やIT人材の確保といった点は残されているものの、それ以上に「新しい挑戦を受け入れる国づくり」が着実に進んでいる点は大きな魅力です。
これから起業や海外展開、スタートアップ投資を検討している人にとって、ウズベキスタンは今後ますます注目すべき国の一つになっていくはずです。
コチラの記事もおススメです。

UZB GATEWAYをもっと見る
購読すると最新の投稿がメールで送信されます。


コメント